最年長の現役俳優、庄司永建先輩(1947専新)が9月15日、膵臓がんのため東京都内の病院で亡くなった。92歳。山形県出身、上智大学卒業後、劇団民芸を経てフリーとして活動。民芸の舞台「セールスマンの死」、ドラマ「西部警察」、映画「ミンボーの女」などドラマや映画で活躍。
最後に聞いた庄司さんの話
昨年、7月に行われた諸橋晋六元ソフィア会会長の一周忌の集いで庄司永健先輩は次のような話をされた。
「昭和20年3月、召集を受けて山形へ。私は在学中、当時必修だった「教練」も「野外演習」にも真面目に参加したので、配属将校の三輪大佐に「幹部候補生試験」を受けるための推薦状を書いてもらいに行きました。ところが三輪大佐は、お前は教会の神父と仲がいい。そんなスパイと親しい奴にはやらん、といって拒否されたのです。再三、お願いしましたが駄目で、結局、私は二等兵として山形連隊に入隊し、一兵卒として軍隊では大変な目に会いました。
秋に上智へ戻ったが学校は荒れ果てていました。木造校舎は焼けて、焼夷弾のカスだらけだった。そこで「新聞部」を作ろうと学校に言って部室をもらった。紙がないから「壁新聞」でも出すかと言っているところに、陸軍と海軍の将校服を着た2人が来た。それが諸橋晋六と白石元良で、モロさんに、あなたが編集長をやってください、よしやろうということで始まったんです。それから新宿区下落合のモロさんの家の離れに下宿して7年間家賃も払わずお世話になったんです」
とても元気でお話をされました。本当に残念です。(磯浦康二 ’57文新)