■講演テーマ:「新興国ビジネスで勝てるグローバル人材の育て方」
■日 時: 2015年10月28日(水) 18:30~20:30
■場 所: ソフィアンズ・クラブ
■講 師: 豊田圭一(とよだけいいち)さん (’92年経済学部経済学科卒)
株式会社スパイスアップ・ジャパン代表取締役
■参加者数:30名
※この講演録は当日の同録音声から主要な箇所を文章に書き起こし加筆・修正したものです。
■豊田圭一さんプロフィール 1992年、経済学部経済学科卒業後、清水建設株式会社に入社。 株式会社スパイスアップ・ジャパン |
今回はこれまでの数々の事業のご経験、実績に基づいた興味深いお話を講演いただきます。
■バブル時代の幻想から覚めて起業・・・
みなさんこんばんは、ただいまご紹介に預かりました豊田と申します。92年経済卒業です。今日は「新興国ビジネスで勝てるグローバル人材の育て方」というテーマでお話したいと思いますが、まずは簡単なプロフィールからご紹介します。
大学を卒業して入社したのが清水建設。ここに3年弱勤務しました。何で清水建設に入社したかというと、在学中の就職活動していた1991年ころは、バブル時期ですから就職用のパンフレットがすごかったんです。
特に目を惹きつけられたのが清水建設。売上が世界一で、とは言っても海外売上比率は5%くらいだったんですが、ほとんどが国内売上。東京の海を全部360度ダムで埋め立てて、海底を都市化してしまおうとか、東京の地下を都市化するとか、当然宇宙にも宇宙ステーションだとか、すっごいパンフレット。
私は経済学部ですが、これからは建築屋の時代=君たちの時代だと言われました。川上から川下まで全部君たちに懸かってると言われ、すっごい会社だなと感激して入社することにしたわけです。
私は入社したら海外に行きたかった。父が三菱商事で幼少の頃はアルゼンチンで暮らしたこともあり、父の姿を見て、日本の大企業に入って、海外に飛び出たいという思いを持っての入社でした。
ところがここから一気にバブルが崩壊。今だから言えるひどい話。入社した4月1日、我々新入社員に向かっていきなり人事部長が「人事部は採用を見誤った、君たちは多く取り過ぎた」みたいなことを言われたんです。これはショックでした。
その後、希望の海外事業部に配属はされたんですが、至る所の海外からもう撤退撤退の状況でしたから、しょっぱなから窓際族のような、仕事のない部署に配属されたようになってしまったわけです。
このままではダメだと思い、25歳(入社3年目)で独立・起業することにしました。最初に手がけた仕事が海外留学のコンサルティング。日本から海外に留学する人のお世話をする仕事。これを約15年続けました。
バブルが崩壊したと言っても留学人口はどんどん伸びていました。まさかのちのち「失われた20年」と言われるほど、当時は続くとは思いませんでしたから、自分をスキルアップし、キャリアアップ、キャリアを変えようとMBAを取得しに行ったり、語学力をつけに行ったり、留学人口がこの時期ものすごく伸びたんです。85年のプラザ合意以降は特に円高の流れもあり、留学人口が増えました。そのさなかに私は留学生のお世話をする仕事を始めました。
ただ飽きっぽい性格なので、それ以外にもいくつか起業しました。これまでに7つ、8つのスモールビジネスを平行して興していき、今現在では、海外も含め私が代表や顧問を務める会社は11社になっています。ま、とは言っても全部見てはいられないんですが、、、。
そして今現在、私が中心にやっている仕事は、東南アジア、そしてインドで企業向けの研修をしています。企業の社員を海外に連れて行って研修をするという事業です。今日はこの話にフォーカスしてお話したいと思います。
ちなみにラッキーにも本も出せていただいていて、いままでに15冊ほど出版しており、海外とは関係ない仕事術的なものを多く出しております。(文末にリスト)
■留学コンサルから人材育成へ・・・
今現在私が主戦場としているところが、アジア新興国での海外研修の実施、そしてインドはバンガロールという場所を拠点に英語学校を運営しております。これはここ4年のもの。92年卒業で現在46歳、約15年かかってこのエリアに到達したわけですが、それまでは、ずっと欧米、中でもアメリカとのやりとりが多かったです。ずっとアメリカとのやりとりをして、今でもアメリカの教育機関、欧米の教育機関は世界に誇れるものだとは思います。でもこの4年は、東南アジアとインドにしか行ってません。
なんでこのエリアに急にシフトしたかというと、5、6年前にある人に言われたことがきっかけです。アメリカに留学している人はもう良い(手当する必要が無い)。もっと短期でいいのでインドだとか東南アジアに留学していた人がいたら会ってみたいと・・・。
5、6年前に言われたことから、ちょっと潮流が変わったなと思ったのと、もうひとつは留学人口がどんどん減ってきましたので、私が手がけていたマーケットがシュリンクしたんです。このまま欧米をターゲットに行くのはどうかなと。そう思ってシフトしました。
今私は、企業と向き合うなかで「グローバル人材育成」というテーマで仕事をしています。「グローバル人材」という言葉は、5、6年前からだんだん言われるようになって来ました。今でこそこの言葉はよく聞くようになって来ましたが、10年前、20年前はそんな言葉すらなかった。
私は、40年前に父にくっついてアルゼンチンにいたわけですから、40年前だって、50年前だって海外には日本人が行っていたわけです。当時何と言われていたか?私の大学時代は「国際人」みたいな言葉がありました。「国際人」になりたい。それが今で言う「グローバル」なのかもしれません。
ところが当時私は、留学のサポートはしていましたが、私自身が教育の提供者ではなかった、人材育成のプロでは全く無かったわけで、そのため、企業の人事部の方にヒアリングに行ったんです。4、5年前のこと。
そうしましたところ、うちもビジネスのグローバル化が進んでる、これは何かというと、企業全体の売上に占める海外売上比率、これがどの企業もどんどん高まっている。中期経営計画で、5年後、10年後にはもっとこうした海外売上をアップさせたい、そういう話はあるけれど、それに伴う人材が足りない。こういうことを言われました。
駐在をいやがる社員が多いことも言われました。駐在に誰も手を挙げない。駐在に行ったけれど精神的に参って帰国してしまう人も多くなっている。どこの会社からもこんな話を聞いたんです。
実際今でも、私のパートナーの会社で、フィリピンの駐在で2ヶ月で戻ってきてしまったという話を聞きました。精神的にやられる。あるいは昨年私がインドである会社の社長さんから聞いたのは、デリーには1500人の日本人がいるがそのうち自殺した人は何人いるか知ってますか、と言うんです。そんな自殺者なんかいるのかと聞いたら、5人もいると言うんです。
上智大学は現在在校生が1万3千人。たとえば1万人の大学、1万人の会社で30人の自殺者が出ているとなったら、ブラック大学、ブラック企業の何者でもない。そういう状況があることがわかったんです。ここから「海外留学のコンサルティング事業」から「人材育成コンサルティング」に大きく事業が変化していきました。
■海外向け人材育成に足りないもの・・・
私が手がけているインドなど新興国で活躍できる、成果をあげられる人材を育成するためには、従来の研修では育たないのではないか。みなさんそう思われていたんです。
グローバルとか言いますけど、そもそも世界196の国と地域があってそれぞれぜんぜん違う環境や価値観にもかかわらず、それらを総してグローバルなどあるはずがない。またアメリカだフランスだスペインとかならグローバルかもしれないが、それとインドはぜんぜん違う。すべての国を一即多にすることはできないのに、グローバル人材育成と言ってしまう。どうやったらグローバルで活躍できる人が作れるんだろうかと・・・。
私が従来やってきたMBA留学だとか語学留学だとか大学留学では太刀打ちができなかった。そうだ、それが課題なのかと・・・。そう思ってはいたんですが、いきなり企業から来た話は、そんな課題を1週間で解決させて欲しいと・・・。
1週間でなんとかせいって、私はこれまでも留学の仕事を扱ってきたので、単位(スパン)は年なんですよ。1年とか3年とか。短くても半年。それこそ3ヶ月の語学留学で身についた人など見たこともない笑。
もちろん上智大学で英語学科を卒業、あるいはイスパニア語学科を卒業して現地での研修であれば短期間でも高まるかもしれません。そんな素養も持ち合わせない人が3ヶ月かそこら留学しても何かできるようにはならない。それが1週間ですよ。1週間でどんなことができるんだろう。
そこで私は従来のグローバル研修では何が足りないのか分析してみたんです。4つに分けて、左側が「知識・理論」、右側に「実践」。上に行くと「ビジネスの成果」、下には「ノンビジネス(教養)」こういうグラフを作ってみました。
すると、MBA留学は確かに「ビジネスでの成果」で「理論的」である。頭でっかちになる、そもそもMBA取ってすごくなった人って見たことないです笑。あ、やばい、会場に持っている人がいる笑。
MBAは私の理解では「鬼に金棒」だと思うんです。(もともと強い)鬼がさらに金棒を取りにいって帰ってくるから強くなる。そうじゃない人間がMBAとってもスーパーマンにはなれない。
語学もそうです。語学力つけたら海外で活躍できるか、私、英語ペラペラ、中国語ペラペラです、もし英語ペラペラの人が世界で勝つんだったら、私たちは5歳のネイティブにさえ負けてしまう。でも私たちは負けない、なぜか、仕事ができるからです。MBAもそういうことです。
一番よい方法は、いきなり海外駐在に放り込むこと。ただ今は昔と違うのは1箇所あたりの駐在員を少なくしていく傾向がある。昔は日本人だけで現地法人を運営しようとしていたが、今はガイジン(現地人)のマネジャーをスカウトして立ち上げる。そういうことを考えたとき、とりあえずおまえ経験ないけど行って来いとはできなくなった。
そこで海外での現地法人でのトレーニング制度。これが意外に機能していない。なぜなら現地法人の社員は通常、教育のスキルは持っていない。現地社員はビジネスを向上させるために雇われている。そこに研修生10人行くからよろしくと言われても、トレーニングできない。現在の日本のどんなに大きな企業でもうまく行っていない。
唯一現地法人での実務研修というのがありまして、それは、そこのトップが親分肌で教育に熱心、こういう環境の場合は大丈夫。よっしゃ連れて来い、俺が鍛えてやる、そういう場合もありますが、そうでない場合は、人事部から押し付けられて、しようがなく受け入れた、何させれば良いのか、これではダメ、うまくいかない。でも目的は現地ビジネスで成果をあげること。これを1週間で仕上げなければならないと言われたので、そぎ落としてそぎ落として、ここだけにフォーカスを当てて鍛えるしかない、そういうことから私が独自に考えだしたのが、どういう人材を作るかというゴールイメージを決めることだと思いました。
ある程度仕事のデキる人であれば、世界のどこに行っても、普通に仕事ができて、普通に成果が上がる。日本で仕事のできない人間が向こう行ったって仕事はできない。例えばいま、リーダー育成などが課題ですが、リーダーになったことない人間が海外でグローバル・リーダーなどできるはずはない。私が考えたのは、普通に仕事ができて、使う言語が違えども、普通に成果があげられる人材育成、そういうゴールイメージを持つことが我々の仕事だと思ったわけです。
■グローバルになるための7つの要素・・・
そこで人材の要件を洗い出してみました。彼らをグローバルという大海原を走る船と考えたとき、一番下にあるのは、ビジネススキル、どんな業態、職種であっても、普通にタイムマネジメントができる、PDCAをうまく回せる、やるといったことはやる、誠実に対応できる、そんな基本のビジネススキル。
その上に、業種業態職種によって高い専門性、経理のプロ、営業のプロ、この業界だった業界のプロであるべきだろうと・・・。
ただすごく仕事ができる方でも、先日渡航前の説明会をしたんですが、15人の35歳前後の方に、もしみなさんが海外に行くチャンスがあったら手を上げますかと聞いたところ、上げたのはたった1人。え、何でですか、会社のお金でいけますし、手当も付くし、海外のほうがマーケットが広がったばかりでやりがいだらけですよ、と聞くと、彼らからの反応は、これまで海外の経験がないから自信がない、さらには、もっと力を付けてから行きたいという方も多かった。35歳にもなってこれから何の力を付けるんだ!!あとは子供が小さいんで・・・という方もいらっしゃいました。
自分こそがやらなきゃというマインドは皆無なんです。やりたい、やる自信がある、そんなマインドがなければ、せっかく高い専門知識があっても行けないだろう、現地に対応できないだろう、いっくら語学力や異文化を受け入れる気持ちがあっても、全く意味をなさない、効果が出ない。
ということで現地教育の柱は、ビジネスの基礎スキル、グローバルマインドセット、そして高い専門性の積み重ねと考えたとき、私たちに1週間でできることは「マインドセット」しかないだろうと考えたんです。「グローバルマインドセット」これは国内では身につかない。ここにフォーカスしました。ただこの時点ではグローバルマインドセットという言葉だけで、非常に漠然としたものだったので、さらに考えることにしたんです。
私は現在、早稲田大学のトランスナショナルHRM研究所の招聘研究員というのもやってまして、ここと共同で「グローバルマインドセットアセスメント」を作成しました。グローバル人事の第一人者の先生と一緒に作成したんですが、このときに出てきた学術論文をベースに7つの要素に分解したものが「MISSION:GROBAL」なんです。
主体性、突破力・実行力、言語に依存しないコミュニケーション力、適応力、パッション、メンタルタフネス、どこでもやっていける自信。
これが出てきた時に、私は、ほうなるほどな、おもしろいなと思いましたが、よく考えればそれはグローバルに全く関係ないことだった。グローバルには関係ないけれど、グローバル環境ではこれらの力がより必要になってくるということがわかりました。
私どものお得意様は大企業が多いのですが、自分一人が主体的でなくても会社は回る、自分が行動的じゃなくても仕事は進められる社員が多い。彼らは、あ・うんの呼吸が通じる仲間がいれば、なんとかお互いに補ってくれる、パッション無くたってやるべき仕事さえ終えれば回っていくかもしれないと思っている。ところがグローバル環境(海外)で自分ひとりで、大きな組織をマネージしていかなければならなくなったとき、自分が主体的でなければ何も始まらない。自分からアクションを起こさなければ誰も起こさない。凹んでいる場合じゃない。
「グローバルマインドセット」とはそういうことなんだろうなと思って、図のような7つの要素を鍛える研修をやろうじゃないかと考えたわけです。これなら1週間でも出来そう、これだけにフォーカスしてやろう。そしてここに誕生したのが「MISSION:GROBAL」なんです。
■ケーススタディからリアルスタディへ・・・
正直「Mission:Impossible」をパクりました、ロゴデザイン笑。これは「Impossibleフォント」という字体なのでどなたでもお使いになれるんですが・・・笑。
「MISSION:GROBAL」は、グローバル化というミッションに取組む企業を応援サポートする研修です。
1週間、どういうものをやるかというと、簡単なイメージでお伝えすると、みなさまのお手元にチラシをお配りしていますが、1週間たったひとりで初めての国に出張に行って、これとこれ(タスク)をやってこいよ、という状況を作ります。このとき、頼れるのは自分だけ。英語(コミュニケーション)も自信がない。なんとかこの3つのタスクをやらなきゃいけない。そんなシチュエーションを作ります。
この研修を知人で50代−70代の海外駐在経験者に話しましたら、今ではこんな研修があるんですね、甘いな、俺達のときは最初から放り出されたぞ、そうおっしゃってました。でも内容は自分たちの経験にとても近いとおっしゃっていました。
つまり我々が提供するのは、1週間たったひとりで、何かのミッションをやり遂げなければいけないという疑似体験ができる「場」と「環境」だと考えています。参加者にレクチャーは何もない。私は朝、指令書を受講生に渡して、今日のミッション(仕事)はこれです、◎時までにやり遂げて帰ってきて下さい、と伝えてあとはホテルで寝て待つのみ・・・。冗談ですが・・・爆笑。
これを私たちは「Real Study (リアルスタディー)」と名づけました。現在のビジネススクールは、皆さんご存知かわかりませんが「case study(ケーススタディ)」「case method (ケースメソッド)」というのがあります。これは例えば、マーケティングを学びたい、例えばP&Gがマーケティングにおいてこういう課題にぶち当たりました、皆さんだったらどうしますか、という実際のケースを使って学ぶのが「case study(ケーススタディ)」。
それに対し、今企業がまさに直面している解のわからない課題、ビジネススクールのあなただったらどう取り組みますか、これが「Real Study (リアルスタディー)」。もともとはハーバード・ビジネス・スクールが同じようなことを始めたていたようです。
1週間のスケジュールがこれです。大して面白いものでもなんでもありませんが、ミッションが出されてそれに取り組むという繰り返しの毎日になっています。
私たちはこういうビジネスをやっているんですが、現地ローカルの人たちを取り込むのにとても苦労している、どうやったらローカルマーケットに入り込めるのかみなさんの治験を下さい、そんな課題が出て、受講生たちは街を走り回って、生の声を聞き、社長、こういう風にやったほうが良いと思います、ということを提案する。そんな研修です。
今まで3年で約450人の方々、海外にお連れして研修やってきました。実際我々の成果としては、今後海外駐在のチャンスがあったら手を上げますかという問いに、かなりの方、ほぼ100%がポジティブに反応するようになったこと。これが一番大きな成果だと思っています。
みなさん、地球のどこでもやっていける自信がついたとおっしゃっていただける。「ガイアの夜明け」にも出させていただきました。このときはテレビ画面上のテロップにずっと「地獄の研修」とか出てたのが気になりましたが笑・・・。でもこのテレビに出たあと2ちゃんねるで叩かれまして、おまえ何偉そうなんだと、おまえは何様のつもりか、見てみたら本当に偉そうな場面しか出ていなかった、なぜなら「地獄の研修」だからです笑。
■地獄の特訓!?そしてさらなるグローバル人材強化へ・・・
これでいよいよ来たと、独立してから苦節20年、低空飛行だったのがようやく陽の目を見れると思った矢先、この研修の穴を見つけてしまいました。
この数字は各国の平均年齢なんです。日本は46歳、アメリカは先進国で唯一人口が伸びている国、移民政策がとにかくすごいので、その結果、平均年齢も保たれています。中国は一人っ子政策の影響で平均年齢がかなりあがってきた。
ただ日本企業が行きたい(進出したい)ところ、新興国と呼ばれる地域は軒並み20代。ナイジェリアに到っては平均年齢18歳。何が穴なのかというと、私の研修に参加する対象者は誰なんだろう(何歳なんだろう)ということ。
大半の企業に聞くと、あなたの研修は若手向けだねと言われる。ただその「若手」って何歳(まで)なんでしょう。35歳? うちは30歳までかなとか、32かなとか言いますが、世界的に見ればもうどれも若手ではないってことです。
ここは日本企業においての大きな問題がある。なぜなら、海外で初めて駐在するとき通常「海外生活に慣れていない」とか「言葉に自信がない」の2つの異文化理解、多様性の受け入れのトレーニングが必要ということで、このような研修が多くあります。でもこれらよりももっと大きい問題は、その年齢でマネジメント経験がないことなんです。
30歳でも35歳でも若手の日本企業だと、まだマネジメント経験がない。ところが新興国に行って同年代の人だと少なくとも平社員ではない、少なくとも部署・部門のセールスマネージャー(部長)以上。マネジメント経験豊富。そんなところに飛び込むことになるわけです。
そこで、さきほどの「グローバルマインドセット」だけじゃなくて、もっと必要になってくる「リーダーシップ」、しかも異文化の人たちに発揮できるようになる研修を作りました!!!それが「MISSION:GROBAL – Buddy」なんです。
1週間、現地人のByddy(部下)と一緒にミッションに取り組む研修。例えば初日現地につくと、参加者と同じ人数の現地のBuddy役が待ち構えています。まずは彼らにむけて所信表明演説を英語でしてもらいます。私は誰々で、どういう仕事をしてきて、やる気がこんなにあるので、この1週間でぜひ私と一緒に働いて欲しい。これを聞いた現地Buddyは、どのリーダーのもとで働きたいかを投票で決めるんです。これは痺れますね笑。私は横で見てるだけですが笑。
手が震える人なんかもいます。でもこれはあくまで疑似体験。失敗できるんです。大いに失敗して自分を出しまくってチームを作り上げていく。ガチッとなったあとはすごく大きな自信になっていく。
私が提供するのは、慣れない環境、慣れない言語、慣れない人、こうした「場」と「環境」だけ。
これで海外に行ってリーダーとしてやれる自信が身につく「地獄の研修」。どうぞこれからもご支援ご鞭撻いただければ幸いです。ご清聴ありがとうございました。(まとめ:土屋夏彦 ’80理電)