■大人の見学ツアー第2回「YKKものづくり館訪問」
日時:2017年1月14日(土)10:00〜11:30
見学場所:東京・秋葉原「YKK本社・ものづくり館」
同行:末永亜希子さん(’00外ポ)(YKK株式会社 経営企画室 広報グループ)
猿丸雅之さん(’75外英)(YKK株式会社 代表取締役社長)
内容:YKKのものづくり哲学に触れるためのワークショップ+猿丸社長の会社解説
2016年秋からの「マスコミ・ソフィア会」の新企画として始めた、旬なトレンドの企業や、頑張っている企業を別の角度から訪問し見学しようという「大人の見学ツアー」。
昨年の第1回「Google日本本社」に引き続きの2回目。前日までの穏やかな天気とは打って変わった急な寒波の来襲で、参加者の出足が心配されたが、16名が定刻までに「ものづくり館」に参集、10時に開始。
冒頭では、明日から海外出張という多忙な時間を割いて、猿丸雅之代表取締役社長(1975外英)も参加して下さり、「ものづくり館 by YKK」の設立精神ついて次のようなお話しされました。
■猿丸雅之社長の話
「私たちはメーカーとしての誇りも責任も持っています。日本の製造業が衰退し、競争力をなくしていく中で次の世代に”ものづくり”の楽しさを教えたい・・・一企業が社会全体を変えることは出来ませんが、何か会社としての活動を通して、若い世代に“ものを作ること”の楽しさを学んで欲しいという思いがありました。
もともとこの地域は横山町、博労町という繊維問屋街の大きなところで、”カチクラ”と言われる御徒町や蔵前などの地域には、今でも若いクリエイターの方が沢山おられます。そういう方々に少しでも場を提供したいこと。そして若い世代にファスナーという生活に密着してるが、普段、何も考えずに使っているものを通して“ものを作る”ということに慣れ親しんでほしいという思いがあってこの建物を本社の横に建てました。
1階のここは”ワークショップ”、2階はファスナーの歴史や構造を学んで頂く。3階はもう少しプロ向きにクリエイターの方々が意見交換できるような場として、4階のスペースは皆さんたちにお貸して、レクチャーも出来るようにしています。
多少の不安もありましたが、一昨年の9月に発足して1年4か月になりますが、非常に好評で、ワークショップもいろんな方々、いろんな年齢層の方に月4回、週1回ペースでご利用いただいています。ミシンが24台しか置けないので、すぐに埋まってしまいますが、近所の小学校の皆さんが課外授業で来ていただくとか、地方の学校からインターネットで申し込んで頂き修学旅行の野外活動コース、自由活動コースなどにも来て頂いておりますので、当初の目的の線には沿っていると思います。また主力工場のある富山県でも同じようなことをしていますので、地味な活動を通して少しでも”ものづくり”ということの楽しさを学んで頂きたいと思っています。
私共の会社は1934年(昭和9年)創業です。吉田忠雄という現在の会長の父親が創業しました。小学校を出ただけの学歴で始めたものです。ファスナーという大変魅力のある商品・・・商品は125年経っていますが・・・この商品で我々は技術的な研鑽とかアイデア、基本的な構造は変わっていませんが、新しい製造方法も含めて、基本的な構造は変わっていませんが進化を遂げてきたつもりです。
なかなかファッション産業、カバン産業等は日本で作られていませんので、どうしても海外での活動が多くなっていますが、その中で少しでも日本を元気にするような活動を、われわれの社会活動の一環としてやっていければと思っています」
■ものづくり館見学
そして参加者一行は、1階の「ワークショップ」で、ファスナーを使ってのポーチの製作に挑戦。慣れないミシンを使っての作業に女性8名、男性8名の参加者がスタッフの細かい指導のもとに「ミシンなんて使ったことがないよ! 使うの久し振り…」なんて言う声で賑やかなこと。
「出来あがりまで大体30分ぐらいですよ」とのことでしたが、一番乗りは男性! 15分足らずで完成。その後、ファスナーを使ったストラップなども作り、一時間ほどの楽しいひと時を過ごして、作品を手に手に記念撮影で「YKKものづくり館」見学を無事終了しました。
そして、場所を変えて秋葉原ワシントンホテル2階の「麹蔵」にて昼食を兼ねての懇親会。「楽しいものつくりだった。今度は家族と挑戦」、「ソフィアンタワーの話題」「初めての参加者同士の交流」などがあり和気あいあいの内に13時過ぎに散会しました。
参加者のアンケートには「シンプルなファスナーの基本構造を利用して、ものづくりの楽しさを知ることができた」「ワクワクしながらのポーチ作りをしながら、モノづくりの大切さを学びました」「またこのような見学会に参加したい」などがありました。
改めて、この機会を与えて下さった猿丸社長をはじめYKKスタッフの皆様に御礼申し上げます。有難うございました。(レポート:村田亨’64外露、山田洋子’77年外独、磯浦康二’57文新)
次回の「大人の社会見学」は3月を予定しています。