上智の精神を生かしたジャーナリストが、語った!!

マスコミ・ソフィア会の2017年度総会と第26回コムソフィア賞授賞式ならびに記念講演会加えて時局講演会が、5月28日(日)「オールソフィアンズフェスティバル」で賑わう母校四ツ谷キャンパス 2号館401、402教室で午後1時より約60人が参加して開催された。

当日菅家ゆかりさん(1981文新)の総合司会で総会議事の終了後、第26回コムソフィア賞授賞式が行われた。

第30回総会記念写真900x600

今年の受賞者は雑誌「暮しの手帖」編集長の澤田康彦さん(1982外仏)。澤田さんは卒業後、平凡出版(現・マガジンハウス)入社。「BRUTUS」「Tarzan」などの編集にかかわり「平凡パンチ」「ポパイ」の編集に携わった。また、椎名誠さんの映画「ガクの冒険」のプロデュース、関連エッセイ本の執筆など多方面での仕事を積み重ね2010年退社。

澤田康彦さん受賞720x900

その後、フリー編集者となり、2015年「暮しの手帖」社に招かれ編集長に就任。70年続くブランドの“暮し第一の誠実な雑誌作り”を継承しつつも、就任翌年発行の83号では新しい企画を立ち上げ評判を呼ぶ。伝統を守りながらも新しい感覚を取り入れる姿勢と長年出版界での活動が評価された。

澤田さんにはこれからも雑誌文化の先端で意欲的な活動を期待することで第26回コムソフィア賞が贈られた。

澤田さんは、『「暮し」のつくりかた』のテーマで受賞記念講演を行った。講演の中で「変えることのできない物事を受けいれる落ち着きと、変えることのできる物事を変える勇気と、その違いを常に見分ける知恵と・・・」と編集者としての考えを述べた。

澤田さん講演900x600

続いて、第30回総会記念時局講演会として上出義樹(かみで よしき)さん(2016院新聞学専攻)が『「報道の自主規制」〜メディアを蝕む不都合な真実〜』と題して講演した。

講演会全景900x600

上出さんは元北海道新聞社記者で、定年退職後、上智大学大学院で学び2016年、70歳で博士号を取得し、現在もフリーランス記者として活動しており、また上智大学メディア・ジャーナリズム研究所研究スタッフとして研究活動をしている。現役記者の時の取材経験を元に書いた卒論に加筆して、昨年9月『「報道の自己規制」〜メディアを蝕む不都合な真実〜』を出版した。

上出義樹さん900x600

上出さんは、1945年北海道夕張生れ。1970年北海道新聞社入社。札幌本社学芸部、東京支社政治経済部、シンガポール特派員、外報部次長、編集委員などを歴任。定年退職後、フリーランスの記者活動をしながら上智大学大学院で新聞学を専攻。海外など幅広い取材体験から、今、何が問題かを熱く語った。

上出さんは「この国のマスメディアが何だかおかしい。政権による露骨な政治的圧力を受けてからというものメディアは「ウオッチドッグ」(吠えること)を忘れてしまった。この致命的な病巣を抉り、民主主義安定装置としてのメディア復権の手だてを探った。今、マスコミ界にとって最大の問題である」と話した。

その後行われた懇親会には高祖敏明上智学院理事長、曄道佳明(てるみち よしあき)上智大学学長を始め会員が参加し行われた。

曄道学長900x600

まず、渡辺俊雄さん(47文英) (元NHK衛星映画劇場支配人)の発声で乾杯した後、高祖理事長が「今年で30回ということだが、コムソフィア賞受賞者の選定は目配りが利いている。一般に知られた人ばかりでなく、広い視野で見て上智の精神を生かしている人を見つけている」と挨拶。

高祖理事長900x600

曄道学長は「今年4月から学長になりましたので、初めてお目にかかりますが、日頃からマスコミ・ソフィア会の活発な活動は楽しみに拝見しております。ホームページも見せて頂きました。海外でも各分野で活躍している卒業生が沢山おり上智大学の力を感じます。そうした意味でマスコミ・ソフィア会の存在は大学に貢献していると思います。

今後も上智全体は勿論、学生の指導もお願いしたい」と話された。そして最後は皆で輪になって校歌を歌い散会した。(以上 レポート 磯浦康二’57文新)

澤田さんに贈られた花束600x900