さる8月31日フィリピンの首都マニラでアジアのノーベル賞とも呼ばれる「マグサイサイ賞」の授賞式が行われ、石澤良昭教授(2005〜11年学長、現上智大学アジア人材養成研究センター所長)が受賞した。この賞は、フィリピンの故ラモン・マグサイサイ大統領にちなみラモン・マグサイサイ財団が主催し、毎年アジアの平和や発展に尽くした個人や団体に贈られる。これまでインド貧民救済活動の故マザー・テレサ、世界貧困問題と居住環境改善に努力されたホルヘ・アンソレーナ神父や国連難民高等弁務官の緒方貞子氏(元上智大学教授)らも受賞している世界的な由緒ある賞だ。上智大学では3人目の受賞になる。
石澤教授は1961年にアンコールワットを訪れて以来、遺跡の調査研究・保存修復・人材養成を続けてこられた。1970年代カンボジアではポル・ポト政権による大量大虐殺で人材を失いながらも、「アンコールワット遺跡保護と修復はカンボジア人によってなされるべきもの」との信念で活動してこられた。
授賞の理由として、財団は「安全・衛生面での危険にさらされながらも、専門知識の確立とアンコールの保護に執念を燃やした。卓越した指導力でカンボジア人に自国遺産の保護の重要性を啓発した」と評価された。
石澤教授は、マスコミ・ソフィア会が主催している第3回コムソフィア賞の受賞者でもある。
写真1.マグサイサイ賞授賞式での石澤教授(左端・TBS NEWS動画より)
写真2.石澤教授指導のもと進められたアンコール西参道修復作業(A)
写真3.石澤教授指導のもと進められたアンコール西参道修復作業(B)
写真4.石澤教授著書『Challenging the Mystery of the Angkor Empire』 (上智大学出版刊)