マスコミ・ソフィア会会員の皆さま:
今月の「幹事会だより」は、土屋夏彦(1980 理電)が担当します。現在、マスコミ・ソフィア会のホームページの運用・更新を担当させていただいています。
10月14日は日本で初めて鉄道が新橋横浜間(現在の汐留~桜木町)に開業した日(1872年)として、国土交通省の提案で1992年から「鉄道の日」に制定されています。今年はその鉄道開業150年周年という節目に当たるそうで、これを受けて「乗換案内」サービスを提供しているジョルダンがなんと、「150年前の検索」をコンセプトとした「乗換案内1872」を配信しているんです。
乗換案内1872
https://www.jorudan.co.jp/info/norikae1872/
150年前(1872年)の鉄道営業区間の経路探索ということで、当時使われていた時刻表を用い、運賃も当時の価格を現在の価値に換算。実際にやってみてみましょう。
1872/10/14(月)14:00 から新橋〜横濱で蒸気機関車(陸蒸気)に乗ったとすると、
上等運賃:1圓12銭50厘 / 1両2朱(約10,870円)
中等運賃:75銭 / 3分(約7,250円)
下等運賃:37銭50厘 / 1分2朱(約3,620円)
と出てきました。現在の価値に換算すると、東京〜名古屋間の新幹線の運賃(自由席特急で約11000円)くらいの価値があったということですね。面白い!!
実は私、大学時代に所属していた研究室がなんと、現在の乗換案内の原型エンジンを作った研究室なんです。こうした駅間を乗り継いで一番はやく目的地に到着できる経路を調べることを数学では「探索経路問題」といいます。私の研究室は当時大学の中でも最先端の技術を誇るコンピュータによる「情報解析」の専門研究室で、私は「駅の探索経路問題」になる前の基礎研究を担当しました。なので残念ながら「駅の探索経路問題」には参加できなかったわけですが、私の研究成果がもしかすると現在の「乗換案内」アプリケーションにも少しは影響を及ぼしているかもしれません。
どうやって「駅の探索経路問題」をコンピュータに置き換えていったかについては、話が長くなるのでまた別の機会にお話したいと思いますが、そのエンジンが日本のすべての乗り換えソフトの元になったとともに、本家本元はいまをときめく「NAVITIME」であることはご存知のかたもいらっしゃるのでは、、、。
学生時代に携わった研究が「ほんのり」いまの我々の生活にも関わっていると思うと、なんかワクワクが蘇ってくる気がします。
2022.10.15
マスコミ・ソフィア会 常任幹事 ホームページ担当
土屋夏彦(1980 理電)