第31回コムソフィア賞は、前上智学院理事長の髙祖敏明さん(71文哲、76院教博)が受賞しました。

 表彰式は11月15日午後6時から、2号館17階の国際会議場で行われました。式には髙祖さんのほか、授賞対象となった『潜伏キリシタン図譜』の編集・出版に多大な尽力をされた東京大学名誉教授の五野井隆史さん(本学卒業)と「かまくら春秋社(出版)」経営の伊藤 玄二郎さんのお二人にもご出席いただきました。ソーシャルディスタンスを確保した中で、補助いすも利用して90人近い来場者が表彰式と記念講演を熱心に見守りました。

 鳥居正男上智大学ソフィア会長の挨拶とサリ・アガスティン上智学院総務担当理事の祝辞のあと表彰に移り、山本明夫マスコミ・ソフィア会長から表彰状と本学の卒業で元内閣総理大臣の細川護熙さん制作の「刷毛目丸皿」が副賞として贈られました。

 受賞の挨拶で髙祖さんは「途中で資金難に陥ったりコロナ禍によって編集が滞ってしまったりなど困難もありましたが、多くの方々の支援を得て、今を逃してはますます編集・出版は難しくなると思い、5年ほどかかりましたが昨年暮れに出版にこぎつけました。しかしこれで終わりということではなく、出来れば追補版も考えて行きたいと思います」と述べました。

 記念講演「潜伏キリシタン図譜が問いかけるもの」で髙祖さんは、図譜掲載の資料を追いながら「各地に広がるマリア像」などの例を引いて禁制下で信仰を守り続けたキリシタンの歴史を1時間30分近くにわたってわかりやすく解説を行いました。会場ではメモを取る多くの聴衆の姿が見られ、1冊10万円の高額にも拘らず4件の購入予約があるなど関心の高さもうかがわれました。

マスコミ・ソフィア会 山本明夫(71文新)

コムソフィア賞授賞式800x600