マスコミ・ソフィア会会員の皆さま:
今月の幹事会だよりは、枝川葉子(1972外独)が担当いたします。2021年9月にスタートした幹事会だよりのトップバッターでしたから2巡目です。
思い返せばあの頃はコロナの第五波で、四谷の貸会議室を借りて幹事会を開いていました。そしてそれから半年もたたない2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まりました。21世紀の出来事とは信じがたく、現地からの映像を見ると武器兵器は進化していても爆撃、破壊しながらの侵攻形態が第二次大戦と変わらないように感じます。街全体を瓦礫にし、住民、子供たちを拉致してロシアへ連れ去っています。こんなことが許される訳などない、世界の英知を総動員してなぜ止められないのかと怒りと悲しみに心痛みます。一日も早い終結を祈るばかりです。
また国内に目を向けると、2011年3月11日の東日本大震災と福島原発事故から12年経ちましたが、まだ被災者救済、原発事故処理問題、汚染水処理問題など多くの課題が山積みです。にもかかわらず岸田政権は、原発再稼働、稼働期限延長などを次々と打ち出しています。さらには軍備費倍増計画も。7年前の安倍政権時代の安保法制から始まり、国民の意見を無視した政権の力による政治が続いています。正義や倫理感、理念のない政治家たちによる政治は、戦争に向かっているとしか考えられません。戦争放棄を明記した憲法に完全に違反しています。平素からの外交努力により戦争を回避する道を選ぶべきです。
この原稿の締めを書いているところに坂本龍一氏死去の報に一瞬息が止まってしまいました。亡くなった3月28日の2週間前に彼の脱原発を訴える記事、そして10日前には外苑の再開発見直し要望書を都知事に直訴する手紙を新聞記事で読んだばかりでした。きっと命を削って書かれただろう彼の遺書ともいうべき記事を何度も読み直しています。坂本龍一氏の死を悼みつつ。
2023.04.07
マスコミ・ソフィア会 常任幹事
枝川葉子(1972外独)