マスコミ・ソフィア会会員の皆さま:

 今月の「幹事会だより」は、山田洋子(1977年外独)が担当します。
 数カ月ぶりに4月のある日外苑前に行った。神宮球場方面の地下鉄出口から外にでたとたん騒音ならぬ「騒色」!青色に塗装された道路 「青色自転車レーン」が目に飛び込んできた。(写真参照)

 まず、皆様「青色自転車レーン」の存在自体ご存じだろうか?
 以前私は「公共の色彩を考える会」という東京芸術大学教授等の有識者中心に色彩を切り口に公共の場を快適に美しい景観にすることを啓蒙する市民団体で活動していた。(シンポジウム等も開催し地道な活動を約34年継続してきたが、残念ながら2015年に会は解散)

 前置きが長くなったが、2009年、15年前の「公共の色彩を考える会」のシンポジウムでは、「青色自転車レーン」についての問題提起が行われた。きっかけは2008年1月、自転車の事故を防ぐために警察庁と国土交通省が自転車のみの通行を求める自転車道通行帯(自転車レーン)を整備する全国98モデル地区を指定。翌年度末までに整備をするという施策が発表されたことである。(従来の自動車中心の道路に、自転車通行用スペースを設けるという施策。)問題は、2004年に国交省が景観法を制定し街並みの景観、環境色彩についても前進した考えが全国の地方自治体に普及しはじめた中、上記の自転車レーンの推奨色が具体的根拠もないまま「青色」とされたことである。シンポジウムに登壇した関係者によると「青色になった根拠は不明だが、あくまで推奨色であり、青色にする必要は全くない」という話だったが、現実的には 「安全性」を冠に「青色」の自転車レーンは あたかも国(警察庁)で定められたルールのようにひとり歩きをしている。そして、15年たった今、当時と同じ青色自転車レーンを外苑前の路上で見て、私は愕然とした次第である。(京都市は独自の「ベンガラ色」を使用。京都市自転車走行環境整備ガイドライン参照)

 色彩の論争と誤解されがちだが、色彩については、「公共の色彩を考える会」としては、公道は素材色のままでよい。無彩色の白でマークや文字等で表記するだけでよいという見解。道路にいろいろな色彩(ノイズ)をいれることは、交通信号等の本来優先されるべき安全のための「情報伝達」の邪魔にもなるからだ。
道路を青色に塗装する以前に自転車利用者のマナーや道路整備を徹底すべきではないか。
最後にこれだけ、自転車レーンを整備して自転車事故は減ったのであろうか?
ネット検索ででてきた警視庁の都内のデータによると全交通事故に占める構成比では、自転車関連の交通事故の比率は増加しているとある。以上

2024.05.10
マスコミ・ソフィア会 常任幹事
山田洋子(1977年 外独)

補足まで
◎京都市自転車走行環境整備ガイドライン(PDF)
京都市は当初、青色を検討したが、「ベンガラ色」としている。(P.10 参照)
https://www.city.kyoto.lg.jp/kensetu/cmsfiles/contents/0000296/296796/bicycleguideline.pdf

◎自転車の交通人身事故発生状況(令和5年中)(PDF)
令和5年中の自転車事故は発生件数、死者数ともに前年より増加。
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/jokyo_tokei/tokei_jokyo/vta.files/bicycle.pdf 

◎自転車関連交通事故の状況(PDF)
自転車関連事故件数及び自転車乗用中死者・重傷者数は減少傾向にある一方、全交通事故に占める構成比は近年増加傾向。自転車対歩行者事故件数は近年増加傾向であり、自転車対歩行者事故における死者・重傷者数は横ばいで推移。
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/01/siryou07.pdf