マスコミ・ソフィア会会員の皆さま:

 今月の「幹事会だより」は、諏訪なほみ(1965外・仏)が担当いたします。

 「はるかな東京五輪」

 今年の夏は、「2024パリオリンピックとパラリンピック」の開催でちょっと動きのある日々が過ごせたように思います。伝統のオリンピック競技に新しい競技が加わり、若いアスリートの台頭を、スピード感を常に感じながら大いに楽しみました。メダル数は日々増加していき、特にフェンシングのフルーレ団体戦の金メダルは、私にとって信じられない喜びでした。

 というのは、遥かかなたの「1964年東京オリンピック大会」に、私はフェンシング競技の通訳として会場に詰めていました。前年にJOCから上智大学3年生(外・仏)を対象に、フランス語を公用語とするフェンシング(女子)と自転車競技(男子)の通訳の依頼があり、1年かけて競技場通訳を養成するというプロジェクトでした。フェンシングに参加したのは33カ国、ロシアはまだ「ソ連」といっていた時代で、日本国内でのフェンシングの知名度は低かった!

 そして本当に〝何にも知らない“女子学生10名は、2か月に1度、競技や専門用語を学ぶなどの研修を受けて、最終的に私は、放送係と式典係を3人で担当することになりました。会期中の11日間は、かなり忙しく緊張の日々でしたが、残念なことに日本選手はフルーレ団体の入賞に終わるという結果でした。

 放送には人名の読み方が話題になりますが、国名や選手名はフランス語読みが原則でした。しばしば会場を回って発音の確認作業をしました。ユニフォームに書かれた国旗と国名をたよりにして、、。こんなに知らない国々の人と話をしたのは、初めての貴重な経験でした。また、決勝戦前の選手の紹介には、選手は剣をも持って投げキッスをして挨拶しますが、自分の役を忘れて見とれてしまうほど美しい光景でした。こうして奥深く眠っていた60年前の今では考えられないアナログな記憶がよみがえり、頭の中がかなり活性化されたような気がしているこの頃です。(写真はシンガポール旅行のときの記念写真、もとの写真にはおとなりに妹がいるのですが最新技術で消してみました笑)

2024・09・07
マスコミ・ソフィア会常任幹事
諏訪なほみ(1965外・仏)