マスコミ・ソフィア会会員の皆さま:
今月の「幹事会だより」は、山口茂(1957年経経)が担当します。マスコミ・ソフィア会においていつのまにか、私がトップの年長者になってしましました。当然ながら戦時中の経験も味わっています。戦時中の記憶と云えば、農村の細道をひとり歩いていた時、米軍の戦闘機「P51(マスタング)」より機銃掃射を受けて体中が氷りついた記憶は今も鮮明に覚えて居ります。
上智に入学して感じたことは、高校が公立校で規律がゆるかったせいか、かなり厳しく感じました。でも、卒業してみると苦労が懐かしく感じられました。部活は演劇研究会にて照明を担当しました。学業の厳しさにたいして中和剤の役目になっていました。
「商船テナシテイ(フランスの作家シャルル・ヴィルドラックの戯曲、1934年に映画としても公開された)」を演じた時です。昔の2階の講堂で、結構大掛りなセット作りをしていました。ご存じのように皆汚い格好で作業していましたが、その格好でサンダルや草履ばきで四谷2丁目あたりに夕食を食べにでかけました。帰りに見附あたりから巡査に付けられているのを感じましたので、校門から一斉に散りじりに走り去りました。
時を置いて講堂から外の様子を探ると警官が十数名で「ホーホー」と「ふくろう」の鳴き声で連絡しあいながら学校を取り囲んだみたいでした。我々はどうなるかと心配でしたが、暫くしてヘルツオク神父が刑事を連れて講堂に入ってきました。そして彼らは上智の学生であることを告げ、刑事等は納得して引き上げていきました。どんなお咎め受けるか、公演中止になったらどうしよう、切符も売ってあるし、ヘルツオク神父は「時間が来たら帰りなさい」だけで一切おとがめなしでした。考えれば悪い事は何もしていません。勝手に警察が尾行していただけのことです。そんな学生時代の事件として記憶に残っております。
2024.06.15
マスコミ・ソフィア会 常任幹事
山口 茂(1957 経経)