マスコミ・ソフィア会会員の皆さま:
今月の「幹事会だより」は、土屋夏彦(1980 理電)が担当します。現在、マスコミ・ソフィア会のホームページの運用・更新を担当しております。
今回は、最近ますます身近になってきた生成AIについて、その面白さと日常での活用術をたっぷりとご紹介します。
*生成AIって、いったい何でしょう?
「生成AI」という言葉、最近よく耳にするけれど、具体的に何ができるの?と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。簡単に言うと、生成AIとは「人間のように、文章や画像、音楽などを新しく作り出す(生成する)ことができる人工知能」のことです。
これまでのAIは、与えられたデータからパターンを認識したり、予測をしたりすることが得意でした。例えば、囲碁のAIがプロ棋士に勝ったり、顔認証システムが瞬時に個人を特定したり、といった具合です。しかし、生成AIはそれらのAIとは一線を画し、全く新しいものを「ゼロから生み出す」能力を持っています。
*何がきっかけで普及し始めたの?
生成AIが急速に普及し始めたきっかけは、2022年後半に登場した「**ChatGPT**」の存在が大きいです。ChatGPTは、人間が話すような自然な言葉で対話できるだけでなく、文章の作成、要約、翻訳、アイデア出しなど、驚くほど多岐にわたるタスクをこなすことができました。
このChatGPTの登場により、それまで一部の専門家だけが知っていた生成AIの技術が、一気に一般の人々の間にも広まりました。まるで、未来の道具が突然私たちの手元にやってきたかのような、そんな衝撃だったのです。インターネットの普及やスマートフォンの登場と同じくらい、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めた技術として、今、世界中で注目されています。
*生成AIにはどんな種類があるの?一般的に使うならどれがおすすめ?
生成AIと一口に言っても、得意な分野によって様々な種類があります。
・テキスト生成AI(LLM: 大規模言語モデル): 文章を作成したり、質問に答えたり、要約したりと、言葉に関するあらゆる作業が得意なAIです。先ほどご紹介したChatGPTの他に、Googleが開発したGemini(ジェミニ)や、Anthropic社のClaude(クロード)などが代表的です。
・画像生成AI: 文字の指示(プロンプト)から、まるで写真のようなリアルな画像や、絵画のようなイラストを生成するAIです。Midjourney(ミッドジャーニー)やStable Diffusion(ステーブルディフュージョン)、DALL-E(ダリ)などが有名です。
・音楽生成AI: 指示に基づいて、様々なジャンルの音楽や効果音を生成します。まだ発展途上の部分もありますが、これからが楽しみな分野です。
・動画生成AI: テキストや画像から短い動画を生成するAIです。こちらも日進月歩で進化しています。
*一般的に使うならどれがおすすめ?
日常生活で手軽に楽しむのであれば、やはり「テキスト生成AI」が一番おすすめです。その中でも、まずは「**ChatGPT**」か「**Gemini**」を試してみるのが良いでしょう。どちらも無料で利用できるプランがあり、ウェブブラウザから簡単にアクセスできます。初めての方は検索してまずは新規登録をしてみてください。
これらのテキスト生成AIは、あなたの言葉のパートナーとして、様々な場面で活躍してくれます。例えば、ちょっとした調べ物や、手紙の文章を考える手助け、あるいは趣味のアイデア出しなど、使い方はまさに無限大です。因みにこの原稿もほぼAIに書き上げてもらいました。
*皆んなが日常で使ってみるなら、まずは何から始めたら楽しい?
さあ、いよいよ実践編です!難しく考える必要はありません。まずは、気軽にこれらの生成AIに話しかけてみましょう。生成AIに話しかけることばを「プロンプト」と呼んでいます。この「プロンプト」によって生成AIは、あなたの質問や欲求に100%満足いく反応をしてくれるようになります。そんな「プロンプト」の代表例を紹介しましょう。
1. おしゃべり相手にするプロンプト
これが一番シンプルで、かつ生成AIの面白さを実感できる方法です。まるで、知識豊富な友人と会話するような感覚で、色々な質問を投げかけてみてください。
– 「今日の献立、何か良いアイデアある?」
– 「来週の旅行、どこかおすすめの場所ある?」さらには、、、
– 「Can we talk in English? Tell me about the current economic situation in the US.」(英語で話せますか?アメリカの現在の経済状況について教えてください。)
– 「Parlez-vous français ? Je voudrais discuter de la culture française.」(フランス語を話せますか?フランス文化について話したいです。)
海外での活動経験が豊富な同好会の皆さまなら、ぜひ生成AIとの多言語会話を試してみてください。話したい言語を指定して質問するだけで、AIはその言語で流暢に答えてくれます。ブランクのある言語でも、まるでネイティブスピーカーと会話しているかのように練習できます。言語のレベルをCEFR (A1, A2, B1, B2, C1, C2)で指示すれば、簡単な言い回しからネイティブレベルの会話までなんでもこなします。表現に詰まったら日本語で質問し直すこともできます。会話の問題なども作成してくれるのでさっそくお試しあれ。
2. 文章作成のお手伝いを頼むプロンプト
次に試してほしいのが、文章作成のサポートです。これが生成AIの最も得意とする分野の一つで、非常に実用的です。
・友人への手紙の例文を作ってもらう: 「〇〇さんに、最近あった面白い出来事を書く手紙の例文を考えて、〇〇さんは・・・が趣味で・・・にうるさい人です。」と頼んでみてください。
・同好会のイベント告知文を作成してもらう: 「〇月〇日に開催する懇親会の告知文を、ワクワクするような雰囲気で書いて。」と指示するだけで、あっという間に魅力的な文章ができあがります。
・趣味に関するエッセイのアイデアをもらう: 「ガーデニングの楽しさを伝えるエッセイの導入部分をいくつか提案して」といった使い方もできます。
指示の仕方を少しずつ工夫する(「〇〇なトーンで」「〇〇字以内で」など)ことで、よりあなたのイメージに近い文章が生成されるようになります。これを「プロンプトエンジニアリング」と呼びます。
3. AIの人格(ペルソナ)を設定して会話をさらに面白く!
基本的な使い方に慣れてきたら、さらに生成AIの奥深い世界を体験してみましょう。
AIに「人格(ペルソナ)」を設定してみましょう。これが、会話の面白さを飛躍的に高める秘訣です。人格を生成するプロンプトはこんな感じ、、、
– 「あなたはニューヨークの敏腕ビジネスマンです。最新の金融情報を英語で教えてください。」
– 「あなたは日本の伝統文化に詳しい京都の老舗旅館の女将です。訪日外国人向けの日本のマナーについて日本語で教えてください。」
– 「あなたは流行に敏感な20代のキャリアウーマンです。最近のZ世代のトレンドについて、カジュアルなフランス語で話してください。」
– 「あなたは人生経験豊富な、ちょっと口の悪いけど情に厚い大阪のおばちゃんです。最近の物価高について、歯に衣着せぬ物言いで意見を聞かせてください。」
プロンプトで指示した途端、AIはそれに合わせた会話を始めます。まるで本物の人物と会話しているかのような臨場感・・・。遊び慣れたセクシーな男性のペルソナを指定すれば、いつもと違った刺激的な会話が楽しめるかも?。 文章作成やほかの指示と組み合わせることもできるので、理想のAIが誕生します。
4. 生成AIを活用して、自分の新たな可能性を見つける!
経験豊富で好奇心旺盛な皆さんならほかにもいろいろな活用術を見つけられます。
– 画像生成AI画家になる!
「満開の桜並木を散歩する可愛らしい猫の絵を印象派の絵画風に描いてください」
「宇宙空間に浮かぶ古民家の写真を作成してください」
など、頭の中で想像したものをプロンプトで伝えて、にわかAI画家になってみませんか。AIがあなたのアシスタントとしてあなたが描きたいイメージを絵や写真として形にしてくれます。
– プログラマーに挑戦してみる!
「Pythonで、妻がいつも欲しがっているキッチンタイマーアプリを作ってください。」
「Excel VBAを使って、毎月の会員名簿の更新を自動化するマクロを書いてください。」
皆さまの中には、かつてプログラミングに触れた経験のある方や、論理的思考に長けた方もいらっしゃるかもしれません。そうした経験と知識を蘇らせて、生成AIプログラミングで、日常で便利なアプリ作成してみるのも楽しいですよ。
– にわか料理研究家になってみる
「15分以内で作れて驚かれるような、本格的なランチのレシピを提案してください。」
新しいレシピのアイデアをもらったり、冷蔵庫にある材料で何が作れるかプロンプトで
お願いすれば、あっという間ににわか料理研究家になれます。
– 旅行アドバイザーになってみる
「あまり準備に時間をかけずかつ特別な体験ができる、アクセス抜群の旅行アイデアを提案してください。」行きたい場所の歴史や文化について深掘りしたり、おすすめの観光ルートを計画してもらえば、旅行アドバイザーにもなれちゃいます。
– かねてからの小説家や俳人の夢を実現!
「『上智大学縄文土器研究会殺人事件』というタイトルで、小説のプロットを考えてください。」こんなプロンプトで小説のプロットがいきなりできちゃいます。これぞ生成AIのもっとも得意とする分野です。そこから想像を巡らせて各章ごとにAIに文字数などを設定したうえで書いてもらうと短編ならあっという間に第一稿ができます。ほかも詩のアイデアをもらったり、俳句の添削をしてもらうなりずっと思い続けてきた執筆業の道の扉をいま開きましょう。
*生成AIの可能性はあなた次第!
生成AIは、まるで魔法の道具のようですが、あくまで道具です。大切なのは、私たちがどのように使いこなすか、そして、そこからどんな新しい価値を生み出すかです。皆さんの好奇心と探求心があれば、生成AIはきっとより楽しいものにしてくれるはずです。ぜひ、積極的に触れて、その可能性を体験してみてください。何か困ったことや、こんなことはできる?という疑問があれば、いつでもご連絡ください!
2025年7月14日
マスコミ・ソフィア会 常任幹事
土屋夏彦(1980年 理電)
元画像
これが・・・生成AIで加工すると・・・
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