マスコミ・ソフィア会会員の皆さま

第34回コムソフィア賞受賞者は ジャーナリストの大塚敦子さんに決定
「日本初の刑務所での盲導犬育成事業への貢献」が高く評価

 コムソフィア賞選考委員会は、ソフィア会とマスコミ・ソフィア会が共催(上智大学後援)する第34回コムソフィア賞を、ジャーナリストの大塚敦子さんに選定しました。

 大塚さんは、商社勤務を経て1986年にジャーナリストへ転身。世界各地の紛争を取材・報道後、「人と動物との絆」を主題に執筆活動を続けてこられました。多発性骨髄腫の女性を描いた写真絵本『さよならエルマおばあさん』(小学館)で、2001年に「講談社出版文化賞・絵本賞」と「小学館児童出版文化賞」を同時受賞。その後も『〈刑務所〉で盲導犬を育てる』など多数の著作を発表。近著『動物がくれる力〜教育、福祉、そして人生』(岩波新書、2023年)は、この30年間の取材活動の集大成となっています。

 2009年からは、島根県の刑務所で受刑者が盲導犬候補の子犬を育てるプログラムに立ち上げから参画。このプログラムは、大塚さんが米国の女性刑務所での介助犬育成事業を取材・報告したことがきっかけとなり、日本で初めて導入されたものです。
その後、千葉や沖縄の少年院での保護犬訓練プログラム導入に尽力されるなど、罪を犯した人々が「愛情」や「命の尊さ」を学び、社会復帰を促進する“刑務所の中からの社会貢献”活動に寄与されています。

 このほかにも、複数の刑務所や拘置所で「文章教室」「読書会」を開き、受刑者との言葉を育む教育にも取り組まれています。これら一連の活動は、所轄官庁である法務省からも高く評価されています。

 授賞式と受賞記念講演会は、2025年11月28日(金)に上智大学2号館17階1702会議室にて開催いたします。懇親会も予定しておりますので、詳細が決まり次第、改めてご案内いたします。

2025年9月22日
コムソフィア賞選考委員会 委員長
大越 武(1968 文新)

参考
* 『さよならエルマおばあさん』(小学館、2000年)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09727249
* 『〈刑務所〉で盲導犬を育てる』( 岩波ジュニア新書、2015年)
https://www.iwanami.co.jp/book/b223835.html
* 『動物がくれる力〜教育、福祉、そして人生』(岩波新書、2023年)
https://www.iwanami.co.jp/book/b623490.html